第37章 緋色の思惑
椛(このまま考えても答えは出ないし…
取り敢えず、持って来た仕事やろうかな…)
ケースからパソコンを出して広げると、頂いたケーキと紅茶を片手に、パソコン作業を始める椛だった。
暫くそのまま作業に集中していた椛。
音楽もなければ、外の音も微かにしか聞こえないこの部屋で、仕事は思いの外捗る。
2時間ほど経ったのだろうか…
階段を上がってくる音と共に、部屋に近づいてくる足音が廊下の方から聞こえた。
扉の前で足音が止まると、案の定その扉は開かれる。
コナン「椛さん?」
椛「新一君…」
キリの良いところまで打ち終えると、パソコンを打つ手を止めた。
コナン「仕事邪魔しちゃった?」
椛「大丈夫、大分捗ったよ。
ケーキも美味しかったよ。
ご馳走様。」
コナン「ううん、僕は運んだだけだから。」
椛「今度はどうしたの?」
コナン「そろそろ来るかもしれないから。
僕も椛さんと一緒にこの部屋で待機するよ。」
椛「そうなんだ…
そしたら、お手洗い行ってきていい?」
コナン「うん、大丈夫だよ。
ここで待ってる。」
椛「分かった。」
一度部屋を出て戻ってくると、デスクに座り液晶を確認しているコナンの姿が部屋にあった。
椛「ただいま〜…」
黙って部屋に入るのもおかしいかと思い、一応一言声をかける。
コナン「お帰りなさい〜」