第37章 緋色の思惑
青白く光る液晶が並ぶ部屋に、1人残される。
椛(何だかな〜…
色々思うところはあるけど…
2人が何か私に、危害を加える様なことはして来ないだろうし…
まぁ、大丈夫だろう。)
このままボーッとしてるのも時間の無駄なので、液晶に目を向けてどこに監視カメラを設置しているのか確認する。
思いの外多い台数の監視カメラに、少し違和感を覚える。
椛(何かこれ…
敵を誘い寄せるみたいな感じなのかしら…
まさか今日の相手って、黒の組織じゃないよね?
流石にそんな危険な事しないか…)
自分がここに呼び出された理由と、工藤家族とFBIが探っているであろう今の状況を踏まえて、これから起きる事を可能な限り予測する。
椛(もしかしてこれって…)
一筋見えた可能性が彼女の脳内で浮かび上がる。
その時、先程閉まった扉がノックされた。
声をかけると、廊下から新一がトレイを持って部屋の中に入ってくる。
椛「新一君。」
コナン「お昼ご飯後だろうけど、よかったらデザートにどうぞって。
父さんが。」
トレイに乗っていたのはティーセットとケーキ。
小学1年生には少し重たそうに見えたので、手を伸ばしてすぐに受け取る。
椛「ありがとう…
有り難く頂くわ。」
その言葉を聞くと嬉しそうに微笑み…
コナン「まだ準備があるから、僕は一回戻るね!
あとでまた来るから!」
そうしてまた直ぐに部屋から出て行った。