第37章 緋色の思惑
朝の電話では沖矢から何か話があると聞いていたが…
どうやら他にも関わっている人物がいる様だ。
朝の話ぶりから、何か今日あるかとは思ったが…
それが彼女の中で確信に変わる。
椛「…今日、昴さん何かする気なんですか?」
沖矢「…椛さんに何か負担や、迷惑がある様な事は無いので…
そこは安心してください。
無理には言いませんが、貴方には出来れば今日を…
見届けて頂きたいんです。」
なんとも含みがあり、そして確信は結局答えてもらえない。
何かを企んでるでしかない様な言い回しに、疑念しか湧かないが…
椛(まぁ、取り敢えず行くか。)
椛「分かりました、取り敢えず行きますが、意に反する事だったら怒りますからね。」
沖矢「ふっ…
『椛先生』を怒らせて敵に回したら、何かと後が面倒そうだな…
では、後程よろしくお願いします。」
最後は、本来の彼の言い回しが見え隠れして言葉を締めると、電話は切れた。
椛(なんなの一体…
何か胸騒ぎがする…)
ランチをそのまま直ぐに食べて、洗い物をささっと終わらせると、荷物をまとめて家を出ていった。