第36章 友情と責務
黒田「君は、『普通』の基準が高過ぎる。
それは理解して自覚した方が良い。
まぁ、アイツの隣にいるせいも多少あるかも知れないが…
降谷の仕事を見て、
『隣に立ちたい、力になりたい』
そう思える時点で十分大したもんだ。
椛さんは自分の『当たり前』が高過ぎることに気付いていない。
昔からか?
ずっとそんな調子だったんじゃないか?」
椛「基準…」
黒田「椛さんはきっと昔から自分に厳し過ぎるんだろう。
今のままで十分良くやっているよ。
本当、君たち2人は…似た者同士だな。」
最後は少し笑いを含む様な物言いだった。
椛「?」
椛(似た者同士?…か?
あんなに破茶滅茶じゃ無いと思うけどな…私…)
黒田「アイツは椛さんの事、信頼してるし、頼りにしてる様に俺からは見える。
椛さんには負荷をかけてしまうかも知れないが…
これからもアイツの事、よろしく頼む。」
椛「黒田さん…」
黒田「手持ち無沙汰と君は言ったが、手持ち無沙汰には見えないし、スケジュール的にも十分忙しそうに見えるが…
それでも足りないと言うなら…
護身術か何かの演習を追加したらどうだ?
心得が少しあると、降谷から聞いているが。」
椛「えっ?
良いんですか!?」
黒田「私はもちろん構わんよ。」
椛「ではお言葉に甘えて是非!
お願いします!」
黒田「だが、あまり手にかかわる様な物は避けて、足技中心にしよう。」
椛「?」