第36章 友情と責務
椛「そうですね…
あまり、子供らしからぬ発言が度々出る子ですよね。
好奇心旺盛と言うか…
それより黒田さん、コナン君と何か今まで、顔合わせた事あったんですか?
あまり印象が無いですけど…」
黒田「…」
椛(答える気無しか…)
黒田「あの少年の事を、これからよく見ておいてくれ。
何か些細な事でもなんでも良い。
気になった事は全て報告してくれ。」
椛「分かりました。」
椛(コナン君…
黒田さんになんか目つけられちゃってるけど…
大丈夫かしら…)
何故黒田がコナンをマークしたのか、理由は聞けなかったが、裏の管理官まで上り詰めた黒田の事だ。
何かきっと彼の勘に、引っ掛かるような事があったのだろう。
椛「今日、彼は組織の方に行ってるんですか?」
先程電話で話したと言っていたが、彼の今が気になって尋ねる。
黒田「あぁ、そう聞いている。」
椛「そうですか…」
先日、梅の仕込みを一緒にして、朝送り出した日から、彼とは一度も会えていない。
『夜は出来るだけ家に来る』とあの時は言っていたが…
恐らくあの日から、それどころではなくなったのだろう。
あの晩も『力になる』と約束したのに…
何も力になれていない自分自身が、非常にもどかしく感じていた。