第36章 友情と責務
椛(周辺で思い余る人物…)
パソコンに強そうで、尚且つ、彼の正体を探っているまたは、勘付き始めているかもしれない人を想像してみる。
椛(思い当たる人物、多すぎますけど…
どうしましょう…)
本来、黒田直属の協力者という立場上、知っている事は全て報告する事が義務だろう。
だが、素直に全て話すわけにはいかない要素が多々、ありすぎる。
椛(これは困りましたね…
一番は新一くん含む工藤家のメンバーだけど…
実際ハッキング得意そうなのは、秀一と哀ちゃんと博士辺りだろうな…
FBIも別で動いてそうだし…
どこまで話して良いものやら…)
黒田からの質問に少し考え込むように、表情を変えずに片手を顎に添える。
椛「…彼の周囲には、探偵関連の方が多いですからね。」
黒田「というと?」
椛「正直、疑い始めたらキリが無いですが…
『安室透』はどこからどう見ても、ただのフリーターで、喫茶店のバイトだけに収まるような技量じゃ無い事は、明らかですからね。
いくら私立探偵をやっていると言っても…
小五郎さんに弟子入りという設定には、流石に無理があると思って見てましたけど。
現場で見てても、小五郎さんより彼の方が優秀だと、隠しきれてないように私には見えます。」
黒田「…」
椛「そこから、警察関係者とどう繋がって見えたかは分かりませんが、
『この人、本当は一体何者なんだろう』って思わせる要因は多々ありますよね。
潜入捜査官としてはやっぱり、目立ちすぎますよね、見た目華やかだし…
組織に潜入する時の偽名、日本名の『安室透』じゃなくてあの見た目だし、外人名にすれば日本警察として疑われる事なかっただろうに…」