第36章 友情と責務
到着した事を伝えるために、携帯に連絡を入れる。
車内でそのまま待ちながら5分程すると、約束の人物が駆け寄って来た。
扉のロックを外すと、先程まで椛が座っていた助手席に軽快に乗り込んで来る。
車はすぐさま発車し、軽く挨拶を済ませると、助手席に座る彼は、早速本題を振ってくる。
ジョディ「えっ?
楠田陸道?
あぁ…
水無レナの病院に潜入してた組織のスパイね…
確か拳銃で頭を打って自殺したんだったわね…」
コナン「うん!
その事絶対外部に漏らさないでってFBIの人たちに伝えておいて!
組織の1人のバーボン…
安室透が探りを入れてきてるからさ!」
ジョディ(バーボン…安室透…)
先程まで頭の中を締めていた彼の名前が、再びここでも登場する。
呼び出してきたという事は、重要な話でもあるのだろう。
椛と彼の事は一度頭の隅に置いて、コナンとの会話に集中する。
ジョディ「もちろんよ!
なぁに?
そんな事を伝えるために迎えに来させたの?」
コナン「うん…
携帯電話は盗聴されやすいし…
それにもう1つ…
言っておきたい事があって…
もしかしたらあの安室って男…」
「ピリリリリリリ♪」
運転中のジョディの携帯が鳴る。
イヤーマイクを今日は付けていないため、このまま電話に出る事は出来ない。
ジョディ「あっ、ごめん…
路肩に停めて電話に出るわね…」
車のスピードを落として、邪魔にならない位置で停車して車を止めると、コールを取る。
電話先は高木刑事だった。
どうやら事件の話で、コナンは電話先の相手が高木刑事だと気付くと、耳を傾けてジョディの様子を伺う。
ジョディ「ええっ!?
夏子が重体!?
杯戸公園前の階段から落ちて!?
どこの病院です!?
すぐに向かいますから!」
高木「あ、いや…
あなたには現場の方に来てほしいんです…」