第36章 友情と責務
椛(まぁ、女友達が組織の幹部と付き合ってるって分かったら、そうなるわよね…
今日もやはり本当は、探りに来たのかな?
FBIとして…)
当たり障りのない会話が続く車内で、今までは存在しなかった、新たに生まれた距離感を感じながら、車は目的地まだ進む。
自宅前に着くと、ジョディはお礼を言って車を降りる椛を見送った。
自宅の建屋に無事入ったを椛確認すると、次の予定に向かう為車を発進させる。
ジョディ(はぁ…
終始、椛はいつも通りだったけど…
まさか、組織の人間と付き合うなんて…
前に、チーズ屋さんで鉢合わせた時の彼の様子…
通りで身のこなしが軽やかな筈だわ…
椛はいつ、どのタイミングで、彼が組織の人間だと知ったんだろう。
惚れたあとだったのかしら…
そしてその事実は彼から直接、聞かされたのかしら…
それとももしかして…
何も知らないとか?)
考えれば考える程、疑問は頭の中に山程浮かぶ。
今日はそれとなく、探りを入れようと思ってはいたが…
先程の椛の様子を見ていて、結局聞く気には結局なれず…
今に至る。
ジョディ(いつも通りを装っていても、なんか隙がないのよね椛って…
聞いても、上手くかわされていたかもな〜…
もう本当…
訳がわからないわ…)
今後のことをあれこれと考えながら、車を走らせる。
考え事をしていると、時間が過ぎるのは早いもので、次の約束の場所にあっという間に到着した。