第36章 友情と責務
椛(そうだよね、ジョディからしてみたら組織のバーボンでしかないもんね。
秀一は何も言ってこないけど、なんとなく彼の本当の正体、勘付いてると思うんだよなぁ〜…
組織にいる時、ヒロくんと3人でよく任務で一緒に行動してたって言ってたし。
確信と証拠がない、って感じなんだろうな…
ジョディにはその事、一切話してないのか…
この様子だと…)
友人に真実を話せない事は少し罪悪感があるが、お互いの立場を考えると、線引きすべき所は線引きしないといけないと考えている椛。
心配してくれているジョディには悪いが、話せないものは話せない。
椛「ジョディ?
私はどんな事がこの先あっても、受け入れる覚悟はしている。」
ジョディ「椛…」
友人としてやはり、椛の事が心配なのだろう。
真っ直ぐと、言葉を紡ぐ椛からは何の不安も感じられず、強い意志と覚悟だけがジョディに伝わっていた。
ジョディ「そう…
私は椛が幸せならそれで良いわ。
けど…」
椛「?
けど?」
ジョディ「やっぱり心配だわ…」
椛「ジョディ…」
何を言っても、今はジョディの心配を全て払拭出来るほどのネタは持っていない。
少し心苦しさは残るが、今は仕方がないとしか言いようがない。
椛「とにかく、私は本当に大丈夫だから。
ジョディと友人である事は変わらない。」
ジョディ「そうよね…
変なこと言っちゃって、ごめんなさいね…」