第35章 闇の男爵夫妻
椛「私、貴方の力になりたいわ。
貴方の思い描く正義が、いつまでも貫ける様に…」
降谷「ははっ!
君は本当に強いな…
もう十分過ぎるほど、力になってるし…
頼りにしてるよ。
椛といると癒されるし…
また明日から頑張ろうと気合いが入る。」
椛「そうなの?」
降谷「あぁ、そうだよ。
椛は俺をあまり頼ってくれ無いけど…w」
椛「えっ!?
そんな事ないでしょ…
十分頼りにしてるよ?」
降谷「そんな風にはあまり見えないけど?」
椛「さっき零だって、『甘えた』だって言ってたじゃん…」
降谷「それはそうだけど…
普段の話だよ。
椛は何でもかんでも自分で出来る分、抱え込みすぎたよ。」
椛「えっ?
それ、前にも言ったけど、その言葉そっくりそのままお兄さんにお返ししますからw」
どうやら、数時間ぶりに、再び平行線の話が始まった気がした。
けど、今回あっさり折れたのは降谷の方で…
降谷「本当にもう…
困ったお姫様だ…」
強く抱きしめていた腕を緩めると、彼女を組み敷く様に体勢を変えて、両手を重ねて指を絡めとる。
下から見上げる立場になった椛は、彼にされるがまま。
身体を預け、組み敷かれる。
ジッと見下ろす彼の表情は、『困った』という言葉とは裏腹に、とても幸せそうに微笑んでいる様に見える。