第6章 ミッドタウン杯戸
安室「椛さん。」
車を止め彼女の方を真っ直ぐ見る。
椛「はい。」
安室「今日は『あの時』、追いかけて来てくれて、
そして一緒に解体して頂き、
ありがとうございました。
『あれ』は…
僕1人では無理でした。
椛さんが来てくれたから間に合った。
解体できた。
皆も避難が出来た。
先程、お礼をちゃんと言えてなかったので。
出来れば今日中にお伝えたかったんです。
それが『お寿司』に来た、本当の1番の理由です♪」
真っ直ぐこちらを見据えて紡ぐ、真っ直ぐな彼の言葉。
まさかそんな事を言われるとは思ってなかった。
なんだろう、、、言葉が詰まって上手く息が出来ない。
御礼を口にした彼のライトブルーの瞳が今までで一番美しく見えた。
彼の愛国心と、それに捧げる覚悟を垣間見た気がした。
胸に響き、胸が熱くなる…
椛「いえ、こちらこそ。
安室さんにそう言ってもらえて良かったです。
こちらこそあの場に居た全ての方々を、守って頂き、ありがとうございました。」
そう言って軽く頭を下げる。