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ゼロの協力者 【名探偵コナン】

第35章 闇の男爵夫妻



彼は彼女を強く抱きしめ、口付けの呼吸をする合間に何度も、何度も彼女の名前を囁く。
官能よりも、深く、重く、優しい…
けれど、確かに熱を持った言葉という名の愛撫だった。

椛「…っ…はぁ…
零…」

椛も彼の名を呼び返すと、唇が離れる。
目をゆっくり開くと、鼻先が触れそうな距離で見つめている彼と視線が重なる。

降谷「俺…
椛に名前呼ばれるの好きだ…」

椛「…貴方が望むなら、何度だって呼ぶわ。
零…」

彼の首に両腕を回す。
嬉しそうに目を細めて微笑む、彼の表情がたまらなく愛おしい。

降谷「俺をこれ以上落として、どうするつもりなんだ本当に君は…」

彼の言葉に背筋が疼く。
首に回した腕を少し上げると彼の頭を優しく撫ぜる。

椛「それはお互い様でしょ?」

彼の髪を撫ぜながら、愛おしそうに目を細めて彼の瞳を覗き込む。
自分とは異なる美しい瞳の色に、いつもながら目を奪われる。

降谷「そんな事言われたら、今夜は寝かせられなくなる…」

椛「お気持ちは嬉しいけど、肌が荒れちゃうから、ちょっとはちゃんと睡眠とらせて?」

降谷「ははっ!
そうだよなw

努力するよ…」

そして再び降ってくる彼の唇。
唇が触れて、吐息が震えて、夜が長く溶けていく。

ただただ愛おしいだけじゃない。
独り占めしたい、誰にも触れさせたくない。
そんな思いが、彼の口付けと触れる指先からこぼれてる。


彼の熱い温もりと想いを受け止めながら、2人の夜は更けていった。

 






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