第35章 闇の男爵夫妻
椛「いやいや、零はもう存在が尊いよ。
威力爆発して尊死レベルだよ。」
降谷「尊死って…
そんなの…
出会ってから、俺の心を掻き乱しまっくってるのは、椛の方だろ?
俺が普段、どれだけ我慢してるのか、分かってないのか…」
椛「私だって、めちゃくちゃ掻き乱されてるよ…
今日、零が会いに来てくれるってなった時も、すっごく嬉しかった…」
少し恥ずかしそうに目を背けた彼女の仕草に、ドクリと大きく心臓が一際大きな鼓動を立てて反応する。
降谷(なんなんだよ…
ヤバいな本当に…
愛おしくてしょうがない…)
彼女の頬に添えて居た手に少し力を込めると、再び視線を合わせる。
頬を赤らめて、潤んだ瞳で見上げる彼女の表情に、脳みそが沸騰しそうな感覚がした。
降谷「俺たちは、お互いが釣り合ってないと各々思っていたのか…」
椛「どうやらその様ですね…」
降谷「どうすれば良いのだろうか…」
椛「そうだね…
どうしたら良いのだろうか…
何かいい解決ある?」
降谷「う〜ん…」
普段は頭がキレるくせに、こういうところは、お互い堅物の似た者同士だという事をあまり理解していない2人。
こんな時、間に入ってくれる人物がいれば1発で解決しそうな、なんて事もない事象だが…
もしここに風見がいたら、小さくため息をつきながら、2人にツッコミを入れて来そうな所だ。