第6章 ミッドタウン杯戸
お互い車に乗り込みシートベルトを締める。
椛「安室さんは今日、何故お寿司合流してきたんですか?
あのまま真っ直ぐ帰った方が楽だったんじゃないですか?」
出発した車内で話しかける。
安室「…今日、色々ありましたが、そもそも本当は帰りまでちゃんと椛さんの事を送り届けたかったので。
なので、まだ外にいると聞いてラッキーだと思いました♪」
そう言う安室は何故かご機嫌顔に見える。
椛「そんなに気を遣って頂かなくても大丈夫なのに…」
すっかりさっきの話の続きをしたいのかと思っていた為、安室の回答に少し面食らう。
安室「と言うのもありましたが、その後もう一つ理由が増えました。」
椛「??」
安室「ちょっと確かめたいことがあったので。」
含みがあるその言い回しに、昼間の出来事が過ぎる。
椛「そうですか。」
安室「安心してください。『2人の秘密』を掘り返す気はありません。」
椛「??
違うんですか?」
安室「えぇ、違います。」
椛(そうなんだ…
なんだろう。
てっきり掘り返されたらどう切り返すかばかり考えてたのに。)
2人の間に神妙な空気が流れる。