第35章 闇の男爵夫妻
子供達と別れて1人、駅に向かって歩く椛。
歩きながら、今日の朝からの出来事を思い出していた。
椛(なんか今日、思いの外疲れたかも。
体力というより、気疲れかな〜。
けど、優作さんはイケメンダンディだったし、有希子さんもやっぱり素敵な女性だったな〜。
違う形で出会えてれば、もっと楽しく初対面出来たのかな。
いや、けど今の立ち位置じゃ無かったら、知り合うことも無かったのか?
コナン君にも、いよいよ盗聴器仕掛けられる立場になっちゃったしな…
博士からもらった探知機、早速役に立ったな。
今度報告がてら、改めてお礼言いに行こう。
あぁ〜、それにしても…
ゆっくり湯船に浸かりたい…
けど、今日中に仕込まないといけない、可愛い可愛い梅さん達が、私の帰りを待っている…
ダッシュで終わらせれば、ゆっくり浸かれるかしら…
事務作業も出来れば少し進めたいけど…
それは明日でも大丈夫か…
けど、発注関係だけは終わらせようかな。)
頭の中であれこれと、帰ってからのスケジュールを組み立てる。
するとスマホが鳴っている事に気付き、画面を確認するとコールを取った。
椛「もしもし?」
安室「椛さん、お疲れ様です。」
椛「安室さん…
お疲れ様です。」
電話を取ると安室モードの彼。
耳馴染みの良いテノールの声が聞こえると安心し、気疲れした身体が少し軽くなった気がした。