第35章 闇の男爵夫妻
博士「よく見ておくんじゃぞ。
まず、時計回りに一度回して安全装置を解除する。」
言葉通り博士はディフューザーを回すと、「カチリ」と音がして、ずれたところからくぼみが現れる。
博士「解除したらここにスイッチが現れるから、このスイッチを押すと…」
木の板に向かって、スイッチを入れる博士。
するとディフューザーからレーザーが発射されて、
「ジッ!」っという音とともに、木の板が焼き切れていく。
椛「うわぁ~…」
そのまま博士は光を移動させていくと、パタンという音とともに、博士の手に持っていない方の木の板が、庭の芝の上に落ちていった。
椛「これはこれは…
確かに、中々取り扱い注意ですね。
けど、使い勝手無限大そうですね!」
博士「じゃろ~!
わしの今回、一番の自信作じゃ!」
椛「これ、ガラスや、金属も切れるんですよね?」
博士「あぁ!
バッチリじゃ!
せっかくなので、やって見せよう!」
すると今度は、庭の影からガラス版の残骸や、鉄板の残骸をゴソゴソと色々と出してくる。
既に何度か実験したのであろう。
あちこちに、焼け焦げて切れた跡が見受けられた。
先ほどの木の板と同じように、彼女によく見えるように、ガラス板にレーザーを照射しカットしていく。
木の板の時とはまた若干異なる音と共に、ガラス板がカットされていく。