第35章 闇の男爵夫妻
先程の工藤邸での会話を思い出しているのか、椛は少しゲンナリした表情をしていた。
博士も彼女のその表情を見て…
博士(まぁ…
椛君が『特に何も…』と言ってはいても、
あの夫婦相手に、何も無いわけないじゃろうなw
ワシに気を使ったのか…)
なんとなく、彼女の心情を察した博士だった。
博士「所で、今日のおやつも非常に待ち遠しいんじゃが、先にわしの新作を、是非椛君に見せたいのだが…
いいかの?」
椛「えぇ、もちろんです!
先日、連絡を受けてからずっと楽しみにしてましたぁ♪」
今日、椛が阿笠邸に来たのは、
『2人だけの秘密グッズの新作が出来たから、見に来て欲しい』という連絡を受けての事だった。
もちろんお礼に、スイーツを一緒に作る約束も同時にしている。
椛は広げ始めた荷物はそのままに、手招きする博士のもとに足を運ぶ。
博士は、引き出しから箱を3つほど取り出すと、テーブルに乗せた。
博士「まずはこれからにしようかの。」
最初に差し出されたのは、前回と同じサイズ程のジュエリーBOX。
椛「早速開けてみても?」
博士「あぁ、もちろんじゃ。」
博士の了承を得ると、そっと箱を開ける。
椛「わぁお!
これはまた!
素敵ですね!」
箱の中に納まっていたのはネックレス。
前回受け取ったブルーのピアスと、対のデザインになっているのか、ブルートパーズのような石がついた、細工が美しいデザイン性のあるネックレスだった。