第35章 闇の男爵夫妻
「ピンポーン」
外門を出て、すぐお隣さんのインターフォンを押す。
陽気な声と共に扉が開く、先日ぶりの博士が顔を覗かせた。
博士「やぁ、椛君!」
椛「博士、こんにちは♪」
博士「待っておったよ!
どうぞ。」
椛「お邪魔します。」
中に入ると、パソコン作業をしていたのか、パソコンの横に飲みかけのコーヒー。
この時間、子供達はまだ学校に行っている時間の為、今日は博士と椛の2人きりだ。
博士「今まで隣に行っておったんじゃろ?
優作君と有希子君にも会えたのか?」
椛「えぇ、バッチリお会いしましたよ。
ご挨拶出来て良かったです♪」
博士「そうか、それは良かったのぉ〜。」
いつも通りの彼女の様子に、少し疑問が浮かぶ。
博士「優作君達に、バーボン…安室君の事、突っ込まれ無かったのかの?
少し心配していたんじゃが…」
博士の言葉に、荷物を広げ始めていた手を止めて博士の方を一度振り返る。
椛「…
多少突っ込まれましたけど…
特に何も…
という感じです。
それより、心配してくれてたんですね。
博士優しい…
ありがとうございます。」
博士「それはまぁ…
やはり心配じゃろ…
けど、いつも通り元気そうで良かったわい。」
椛「優作さんも新一君もその件に関して、すっごいトゲトゲしいんですよね。
まぁ、立場を考えると当然と言えば当然なんですけど…」