第35章 闇の男爵夫妻
有希子「それにね!
梅の仕込み、すっごく楽しかったのよ!
優作も一緒にやれば良かったのに〜!」
優作「はははっ♪
私は、有希子の楽しそうな顔が見れて良かったよ。」
有希子「そういう事じゃないのよぉ〜!」
そして今日の梅干し仕込みが楽しかったのか、その感想と思いの丈を優作にずっと話し続ける有希子。
椛(本当仲良しなんだな…
この二人は。)
ずっと話し続ける有希子に、優しく笑みで相槌を取り続ける優作。
どこからどう見ても、二人は理想の夫婦像に見えた。
そんな和やかな雰囲気の中、食事が終わると、いつものように赤井は食後のお茶の準備を始める。
椛「今日はなんの茶葉で入れるの?」
秀一「今日はアールグレイだ。
優作さんと有希子さんも居るしな。
それか何か、椛のリクエストがあれば別で淹れるが?」
椛「ううん、みんなと一緒でいいよ。
ありがとう♪」
紅茶を淹れると、梅の香りで満たされた室内が、紅茶の香りが上書きされていく。
椛「秀一?
私、今日この後もう一件あって、あまり長居は出来ないんだ。」
秀一「あぁ、隣に行くんだろう?」
椛「うん、そうなの。
よく知ってるね。
博士から聞いたの?」
秀一「あぁ。
嬉しそうに、周りに言いふらしてたからな。」
椛「あははっ!
そうなんだw」
秀一「すぐ隣なんだし、少し休んで行けば良い。
また隣でも、立ちっぱなしなんだろ。」
椛「うん、ありがとう。
ではお言葉に甘えて。
頂きます。」