第35章 闇の男爵夫妻
優作と有希子がリビングに戻ってくると、4人で席に着く。
予定よりも早く終わった為、今日は少し早めの試食ランチタイムだ。
今日の試食は、昨年漬けた梅干し3種類食べ比べと、梅干しをつけた時に出る紫を少し振りかけた炊き立てご飯。
そして、いつもの自家製味噌で作るお味噌汁。
鰯の梅煮に、梅酢で作ったもずく酢。
同じく、梅酢で作ったドレッシングをかけた季節のグリーンサラダが、並ぶ。
そして梅酢で漬けたきゅうりとミョウガの浅漬けと、梅づくしだ。
梢「では、頂きます♪」
有希子「いただきまーす!」
優作「頂きます。」
秀一「いただきます。」
いつもは二人のランチだが、今日は倍の四人な為、テーブルの上もいつもより賑やかだ。
有希子「んっ!?
何この梅干し、とっても美味しいわ!
市販のと全然違うわね♪」
優作「梅煮、いい味出てるなぁ〜♪」
椛「喜んでいただけて良かったです♪
その梅煮は梅干しを使わずに、梅酢で仕込んでるんですよ。」
有希子「梅酢?
梅干しを仕込むと取れるという梅酢の事?」
椛「そうです。
梅酢で煮ると、やはり米酢では出ない味がするんですよね♪」
有希子「本当ね…
すっごく美味しい…
今度から私も、お料理に使ってみるわ!」
今日は二人がいる為、発言を遠慮しているのか、黙々と食べる赤井を他所に、都度感想を言葉にする有希子と優作。