第34章 アウトレットパーク暮張
椛「うんうん、それでそれで?
なんだろう?
風見さんの好きなもの…
スポーツかな?
それともインドア系?
警察官の人って、車が好きな人が多いって聞いた事あるけど、車かな?」
風見「非番の時はライブに行きます。
あとはオンラインゲームも好きです。」
椛「おぉ!
なるほどなるほど!
ライブ良いですね!
最近もうすっかり行ってないから、私もたまには行きたいな〜。
好きなアーティストとか、いらっしゃるんですか?」
そのまま車内の中で雑談は続く。
普段あまり、仕事関連以外の話を人としない風見にとっては、なんだか少しむず痒い様な…
新鮮な気持ちだった。
彼女の自宅前に着くと、後部座席に置いておいた安室の方の服を半分に分けて、袋に詰め替える。
今回購入した服は、『彼女が良ければ半分は彼女の家に置いておいて欲しい』との話になっていた為、半分椛が持って帰る為だ。
椛「風見さん?」
風見「はい。」
椛「まだ、彼には言ってないんだけど…」
風見「はい…」
椛「私…
引っ越したほうがいいかな?
もう少しセキュリティが厳重な所に。」
荷物を分ける手はそのまま動かしつつも、そんな事を言う彼女は、伏せ目がちで神妙な面持ちに見えた。