第34章 アウトレットパーク暮張
女子高生1「なんか…
よく分からないけど…
カッコよ…」
女子高生2「うん…」ポッ
そんな2人の去って行く後ろ姿を、少し頬を染めた表情で女子高生達が見つめていた事を、この時の椛と風見は知る由もない。
事件現場から少し離れると、風見はスマホを取り出して、どこかへ電話をかける。
電話先の声はもちろん隣にいても椛には聞こえないが…
風見の話ぶりから、先程の事情聴取の件の根回しをしていることは容易に想像がつく。
椛(公安の人は本当、仕事が早いな…。)
電話をする風見を横目で見ながら、周りに目を向ける。
一般客は椛の服が気になるのか、チラッと目を向けると、すぐ逸らす様な仕草をして通り過ぎて行く。
風見「それにしても…
一体どう言う事なのですか?」
公安当局への電話が終わったのか、椛に声をかける風見。
椛「どう言う事とは?」
風見「先程の助産の件ですよ。
貴方は助産師等では無い認識でしたが…
何か経験があったのですか?」
エレベーターの中で、赤子を取り上げた事について指摘される。
まぁ、普通に考えてあんな場面に遭遇したら慌てるのが一般的だろう。
驚いてはいただろうが、慌てず騒がず。
冷静に対処していた椛の様子が、気になるのも無理はない。