第34章 アウトレットパーク暮張
風見「百合さん、こちらお渡ししておきますので。
何かあったらご連絡下さい。
連絡頂いたら、必ず椛さんにも伝えます。」
百合「…ありがとうございます。」
受け取った名刺を、大事そうに握り締める百合を見送る。
するとタイミングを見計らっていたのか、入れ違うように警察官が声をかけてくる。
警察官「犯人逮捕ご協力頂きまして、誠にありがとうございました。
お疲れの所、申し訳ないですが…
4人には事情聴取、ご協力お願い出来ますか?」
エレベーターに同乗していた椛、風見、女子高生2人はそのまま事情聴取を受ける。
女子高生2人は、初めての事情聴取に緊張しているのか、声にあまり張りがない。
思いの外そんなに時間はかからず、一通り事情聴取が終わると、風見はエレベーター内に残された先程買い出ししたショップバックを手に取る。
椛「中身、そちらは大丈夫ですか?」
風見「えぇ、特に問題ありません。」
椛「タオル、勝手に使ってしまってすみません。」
風見「いえ、そんなことは問題じゃありません。
それよりも問題なのは…
貴方の服の方でしょう?」
風見が視線を向ける先には、先程の出産の補助をしていた余韻が色濃く残る椛の着衣。