第34章 アウトレットパーク暮張
男「おいおい女ぁ!!
サラッと俺のことディスってんじゃねぇ!!」
椛「そこに反応するって事は自覚あるんだ?
それならディスってるんじゃなくて事実でしょ?」
男「テメェ…」
どうやらこの男はそんなに口が達者じゃないのか…
言い返す事は出来ずに、悔しそうに椛の事をギリギリと睨みつける。
風見(はぁ…
何でこの状況に全く怯むどころか、噛み付くんだ…
以前から思ってはいたが、こうして直接の関わるとますます…
仕事は講師業の筈だか…
本当にただの協力者なのか?
事件慣れし過ぎだろ…
とんでもない人を恋人に選んだものだな…
降谷さんは…)
人質女性「うっ…」
3人が言い争いをしていると、小さな呻き声が皆の耳に入った。
視線を向けると、脂汗をかいて、先程よりも一段と苦しそうな表情をしている女性の姿が目に入る。
人質女性「ダメっ…
お腹痛い…」
男「えっ?」
立っていられなくなったのか、ガクリと脚の力が抜けたように、足元から崩れ落ちそうになる女性。
その彼女の様子に怖気ついたのか、男は拘束している手を緩める。
すかさず椛と風見が前に出て、倒れ込む瞬間に女性を受け止めるが…
椛は女性の足元を見てすぐさま異変気付く。