第34章 アウトレットパーク暮張
風見「椛さん…
犯人をそんなに威嚇しないでください…
危険ですよ…
それに…
言葉遣いも悪くなってます。」
椛「ごめん…つい…
けど、そんな尊い女性に刃物突きつけて、その女性にもしもの事があったら、お腹の中の子だってタダじゃすまないのよ!?
それにそんな刺激して、突然産気づいたりでもしたら!?
どう落とし前つけるつもりなの貴方!?」
男「う、う、うう五月蝿い!!
お、お前には関係ないだろっ!!
それに、たまたま居合わせた…この女が悪いんだろ!?」
椛「へぇ〜、そう…
じゃあこのエレベーターに
『たまたま居合わせた』私たちも悪いのね?
それなら、その女性は解放して。
私と交換しなさい。
私がその女性の代わりに、貴方の人質になるわ。」
その椛の言葉にいち早く反応したのは、もちろん風見で…
風見「なぁっ!?
何言ってるんですか椛さん!?
それはそれでダメです!!」
椛「いえいえ、私は大丈夫。
妊婦じゃないので。」
風見「いやいやいや!!
何言ってるんですか!?
そう言う問題じゃありません!!」
椛「そう言う問題ですよ。
今、この状態だと2人分の命握られてる。
私が変われば1人分で済む。」
風見「だっ!?
いやいやいや、その発想おかしいですから!!」
椛「おかしいって言われても…
最善だと思うけど。」
風見「それなら自分が代わりに人質になりますよ!!
貴方に何かあったら、あの人に自分、顔向け出来ません!」
椛「貴方じゃ人質の変わり無理でしょ。
どう見てもあのヒヨッてる男より逞しいし、強そう。」