第6章 ミッドタウン杯戸
安室「、、、いや、俺一人ではなかった。」
風見「??
ではあの時、あの場所に他に誰かいたんですか?」
安室「例の女性だ。」
風見「えッ!? まさか、、、」
少し神経質そうな目を見開きながら安室を見る。
驚きを隠せないような表情だ。
安室「『普通の一般人』ではないだろう。
もう一度洗い直してくれ。
こちらも引き続き探る。」
風見「、、、分かりました。」
風見と別れ、帰路に就く。
夜の街並みを走行しながら思う事。
やはり今日の日中の事が頭から離れない。
安室(探る事が目的とはいえ、なんだか束の間の平和な時間だったな。)
彼女と共に食事をした時間は、とても心地良く有意義なものだった。
調理法を確認しながら美味しそうに、そして楽しそうに食事をする姿は、まるで無邪気な少女の様だった。
大人の女性にそんなことを言っては失礼だと思ったので、もちろんそう思ったことは口には出していないが、、、
当然と言えば当然だが、『安室透』の人生が始まってから、友人知人はもちろん作らず人と深く付き合うような事は避けている。
何かあった時に組織に目をつけられて利用されることを避けるためだ。
自身の任務に一般人を危険に晒すわけにはいかない。
食事も行ったとしても任務の一環にしか過ぎない。
だが今日の事を頭に思い浮かべると、今は亡き仲間たちと警察学校時代に外出許可を得て、外食しに行ってた当時の感情をいやが上にも思い出す。