第6章 ミッドタウン杯戸
そうこう考えているうちに合流地点に着く。
車を止めると建物の陰から風見が顔を出し、車に近づく。
安室は窓越しに目が合うと『乗れ』と合図した。
意味をくみ取った風見は反対側に回り、助手席に乗り込む。
風見「こちら言われていた資料です。」
車に乗り込むとすぐに資料が入っているであろう茶封筒を差し出す。
安室「あぁ。」
そう軽く返事をして資料に目を通す。
風見「先日ポアロで毒殺されたFBIのスパイは、やはり正体がバレて組織から消すために他のメンバーが仕込んだ毒物でした。
トラックにひかれた人物はスパイとグルだと疑われて消すために、ポアロに呼び出し待ち合わせと称して窓際の席に座るよう指定され、事故に見せかけて始末する処断だったようです。」
安室「そうか、、、」
風見「ポアロを場所に指定したのは、『どうせ事故を起こすなら』毛利探偵に対する恨みと嫌がらせを兼ねてその場所に決めたようです。
今回の犯行グループのメンバーが吐きました。」
安室は続け様に報告する風見の話を聞きながら、同時に資料に目を通し続けている。
風見「あと、先ほどの爆弾の件、処理を依頼した爆発物処理班から連絡が来ました。
無事本体の解体回収作業が完了したとのことです。」
安室「そうか。」
風見「その話によると、ダブルトリックだったようですね。
それを一人で解体してしまうとは、、、
流石です。」
それを聞いて資料を捲っていた安室の手が一瞬止まる。