第34章 アウトレットパーク暮張
風見「それは、服飾関連の方が皆持っているような、知識なのでしょうか?
自分でも学べば、身につく物なのでしょうか?
資格試験がありますか?」
立て続けに来た質問に、一瞬面食らうが、
『実直な風見の性格をよく表しているな』と椛は思う。
椛「服飾の仕事だからといって、必ず取らなきゃいけない様な資格ではないですよ。
私は『持っていた方が便利そう』だと思ったので、
身につけただけです。
資格試験もありますが、それよりも…
色数見た方が身につくと思います♪」
風見「色数?」
椛「風見さんは、色の知識身につけたら、その知識を何に使いたいのですか?」
風見(何に…)
風見「そうですね、服を選ぶ事が得意になったら良いなとは思いましたが…
それ以外でも役に立つ事があるなら、是非身につけたいですね。」
気を引き締めたのか、メガネに手を当てて持ち上げるその仕草は、如何にも勉強が出来そうな雰囲気が漂っている。
椛「ふふふっ。
風見さんは真面目で実直な方ですね。
気もきくし。
良い旦那さんになりそうw」
風見「はいっっっ!?
ななななな、何を言っているんですか!!
ややや、やめてください!!」
椛「あはははっ!
そんなに反応しなくても…
褒めたつもりで、悪気はなかったんだけどなw」
不意打ちで褒められる事に慣れていないのか、あからさまに動揺する風間を他所に、会話を楽しむかの様に笑顔を向ける彼女。