第34章 アウトレットパーク暮張
風見(随分とサクサク選ぶな…
即断即決タイプか。
と言うか…これ…
めちゃくちゃ楽だな。
今まで、散々1人で悩んで選んでいた事が、嘘のようだ…
何か服選びのコツでもあるのだろうか…)
前を進む彼女は必要な物と、必要枚数を確認しながらサクサクと選んではカゴに入れていく。
同じ要領で店を変えては、スーツと、普段着と、その他今回必要な物を全て購入していく。
そして、全ての買い物が終わる頃には、風見の両腕はショップバックでいっぱいになっていた。
風見(凄い…
降谷さんの分と合わせて、自分の分も購入しているのに…
いつもの半分も時間がかかっていない…
どう言う事だ…
やはり何かコツと言うか…
買い物にも抑えるべきポイントがあるのか?
それに、そもそも要領が良い!
何と言うか…
選択にも質問にも無駄がないんだよな。
仕事をしているみたいだ。
いや、自分は仕事の一環で来ている事は間違いないのだが…)
隣を歩く椛を横目で盗み見ながら、脳内で悶々と思考を巡らせている無表情の風見とは対照的に…
沢山買い物が出来て満足なのか、それとも彼の服を初めて選ぶ事が出来て嬉しかったのか…
おそらく両方だろう。
彼女は足取り軽く、鼻歌でも歌い出しそうなご機嫌な様子だ。