第34章 アウトレットパーク暮張
風見「えっ?」
椛「うんうん♪
よく似合ってる。
風見さん的にはどうですか?」
風見「どうって言われても…」
椛「あれ?
風見さんも、普段トレーニングしてるんですよね?」
風見「はい、もちろんしてますが…」
椛「せっかく買い物に来たのだから、一緒に買ったらと思ったのですが…
後日また、自分用の買い出しに改めて来るの、手間じゃ無い?
それとも最近、新調したばっかりですか?」
風見「いえ、自分もそろそろ新調しないとは思っていた所ですが…」
椛が風見に当てているのは、カーキに黒のラインと、オレンジがアクセントカラーで入っているトレーニングウェア。
普段の風見だったら絶対に選ばないデザインだ。
椛「私は、風見さんの肌と髪の色と雰囲気にとてもよく合っていると思うけど…
どうですか?
好みじゃないですか?」
風見にウェアを当てたまま、大きな鏡がある柱の方に体を向けさせる。
そこには、鏡に映る風見自身と、鏡越しに満足そうな笑みを浮かべる彼女の姿があった。
風見(おぉ〜
なるほど…
悪くない…)
鏡に視線を向けたまま固まってしまった、風見を不思議に思い、声をかける。
椛「どうですか?
別のにします?」