第34章 アウトレットパーク暮張
風見(降谷さんの隣にいて、事件に巻き込まれていても、
あまり動じてない所がまた、感覚バグっているんだよな…)
運転席に座る風見に、そんな風に思われているなんて露知らず。
風見からの言葉を待っているのか、ジッと運転席に目を向けている椛の視線を感じる。
運転を続けつつ、チラリと一瞬助手席に目を向けると、一瞬彼女と目が合う。
風見「公安の中でも、降谷さんが特殊なだけなので。
あんなに色々1人で出来る人、そうそういないですよ。」
椛「そうなんだ…」
風見の言葉に少し考え込む様に、しばらく俯いていた椛だったが…
椛「1人で何でも出来るから、余計にあんなに抱えちゃうんですかね?」
風見「えっ?」
椛「普通、公安の潜入捜査官は、その任務に集中するのが一般的で、通常の事件は関わらないって聞きました。」
風見「…」
椛「けど、降谷君、潜入捜査以外にも色々関わりすぎというか…
抱え込みすぎじゃないですかね?
風見さんの立場から見たら、どう見えるんですか?」
忙しい公安の中でも、明らかに働きすぎの上司の状況。
『協力者』として側にいる事で、その上司の公安としての状況に対して、ずっと違和感を抱えていたのであろう事が、彼女質問からよく分かる。