第34章 アウトレットパーク暮張
『一体何の話だろう』と、暫く彼女の言葉に耳を傾けていたが…
想像していた、斜め上の話が出てきた事に少し、戸惑いを隠せない。
そして椛からの質問に、若干呆れている様子の風見。
風見(この人、やっぱり感覚バグってるな…)
ここ最近の爆弾関連の事件で、
『公安が処理した』と署内でなれば、
内部の人間も、それ以上深く追求したりしないが…
逆に『公安部内』では…
「今回お前が関わったのか?」
「いや、俺じゃ無い。」
「じゃあお前か?」
「いや、俺は関わってない。」
「じゃあ今回は…?
警察庁の方か?
最近続くな。」
と度々話題に上がっていた。
風見「いえ、自分の方で爆弾処理する事はほぼ無いですよ。」
椛「えっ?
そうなんですか?」
風見「最前線で処理するのは、爆発物処理班です。
そのために、彼らが居るのですから。」
椛「それはもちろん、そうなんでしょうけど…
降谷君と、関わる様になってからしょっちゅう、爆弾案件に当たるから、てっきり公安の方も皆、普段からあんな感じなのかと思い始めてたんですけど…」
風見(降谷さんが特殊すぎるだけなんだが…
その隣にいるから、慣れてしまったのか…)
ここ短期間で事件に関わりすぎたのか。
爆弾事件に慣れてしまったのか。
良いのか悪いのか…
降谷の置かれている現状が、彼女の脳内のベースになっている事が、今の発言からよく分かる、と風見は感じた。