第33章 ゼロのコーディネート
風見「…貴方は私の上司の恋人であり、公安上層部の協力者と聞いています。
立場は貴方の方が上です。
どうぞ、自分の事は部下とでも思って接してください。」
椛(わぁ〜ぉ〜…
そう言う事か…
ずっと感じていた違和感は…)
運転席に目を向けると、至極真面目な表情で前を見据えている。
そして、先ほどの言葉に風見の方はもちろん、何の違和感も感じていないのであろう。
椛(この人…
超絶堅物真面目さんなのか…)
何と伝える事が一番彼に伝わりやすいのか…
言葉を選びながら、風見に話しかける。
椛「風見さん。
風見さんが思っている事は分かりました。
けど、私は警察官ではないですし、その組織図には当てはまらない人間ですよ。
それに…
警察内部の事は私にはよく分かりませんが…
もし私が警察官だったとしても例え自分の部下であろうと、大人の男性を苗字で呼び捨てにする事は、あまり好きではないので、
風見さんが本当に私の部下であったとしても、どちらにせよそんな呼び方、しないと思います。」
彼女の言葉に、運転しながらも、一瞬ピクリと反応した瞬間を椛は見逃さなかった。
椛「なので、私は風見さんの事は呼び捨てにしません。
『風見さん』と呼びますからね。
これは譲れません!」