第33章 ゼロのコーディネート
引き止められた為、相手方から話を始める事を待ってたが、一向に話を始めない風見に、『流石に間が長い』と思い、声をかける。
椛「私の言葉足らずで、困らせてしまっていたら、すみません。
今、風見さんは何を思って、何を考えているのですか?
良ければ正直に教えていただけませんか?」
真っすぐと目を合わせて、言葉を紡ぐ彼女。
なぜだか、その瞳に見つめられると、吸い込まれるような感覚がする。
風見(『狐につままれる』とは、こう言う時のことを言うのか…)
話し方は穏やかだが、何というか…
有無を言わせないこの感覚を、風見はよく知っている。
風見(やはり、降谷さんと纏っている雰囲気が、時折少し似ている気がする…)
そこまで腑に落ちると、少し心が落ち着いてきて、流石にこのまま何も答えないわけにもいかないと思い、意を決して言葉を発した。
風見「いえ、こちらこそ、不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。
降谷さんの指示を断れないことは一理ありますが、今回の件、迷惑だとは思っていません。
むしろ…」
話の途中で、言葉に詰まる風見を不審に思う。
何か言いずらいことでもあるのだろうか…
言い淀んでいるように椛からは見えた。
椛「風見さん、どうぞ、この際だから話してください。
何を聞いても、彼に告げ口をするようなことはしませんから。」