第33章 ゼロのコーディネート
少し時間を置いてから、椛と風見も部屋を出ると、地下駐車場に向かう。
風見「こちらです。」
椛「ありがとうございます。」
そのまま、風見がドアを開けた車の助手席に乗り込む。
彼女が助手席に座った事を確認すると、ドアを閉めた。
風見は運転席の方に周ると、自身も車内に乗り込む。
部屋を出てから終始硬い表情で、必要最低限の言葉しか口にしない風見。
そんな風見の様子を、椛は助手席からじっと見る。
彼女から視線を向けられている事は、風見も分かっている筈だが…
見て見ぬ振りをして、部屋を出てから一度も目を合わそうとしない…
と言うか、むしろ避けられていると感じ続けていた椛
椛「…風見さん?」
風見「はい、何でしょうか?」
椛「…やっぱり、
私が居たら風見さんのお邪魔でしたよね…?」
風見「えっ!?」
車を発進させようとした手を止めて、助手席の方に思わず目を向ける。
そこには少し申し訳なさそうに、そして困ったような笑みを浮かべる彼女の姿があった。
風見「!?
いやっ、そ、そ、その、
そんなことないですよ!」
降谷を見送ってから、落ち着いていたように見えていたが、急に慌てたように狼狽える風見の姿に目を細める。