第33章 ゼロのコーディネート
~遡ること数日前 風見side~
降谷「風見、次の買い出しはいつ行く予定だ?」
風見「はい、3日後の午後行く予定です。
特に緊急の対応が無ければですが。
何か急ぎで揃えるものがありますか?
それなら今日直ぐにでも…」
降谷「いや、急ぎの用ではないが、一つ風見に頼みたいことがあるのだが。」
なんとなく、いつもと違う含みのある言葉に、少し違和感を覚える風見だが…
風見「?
もちろんです、何なりと申し付けてください。
降谷さんの任務を円滑に進める為に、自分がいるのですから。」
真面目を絵にかいたような風見。
降谷がスムーズに仕事がこなせるのは、風見の支えあってのものだろう。
降谷「実はその買い出しに、一人連れていって欲しい人がいる。」
風見「?
そうですか、降谷さんがそう判断したなら、自分はそれに従うまでです。
どなたでしょうか?」
降谷「僕の大切な人だ。」
風見「大切な人?」
降谷「僕の恋人だ。
風見の…
俺の服の買い出しに、ついて行きたいと言っている。」
『恋人』と言う言葉にフリーズしたように、一瞬で固まる風見。
『鳩が豆鉄砲を食ったよう』とは、まさにこの事だろう。
眼鏡の先にある、瞳の瞳孔が完全に開いている。
降谷に対する会話にはすぐに答える風見だが、予想外の指示にワンテンポ遅れて一声発する。