第32章 装飾品の秘事
光彦「これは中々酷いですね…」
歩美「これ本当にケーキだったの?」
元太「まぁ、腹に入れちまえば同じだろ?
味が変わらないなら、別にいいじゃねぇか?」
それぞれの意見を述べる子供たちと、分かりやすいぐらいに『がっくし』と肩を落とす博士。
きっと博士は物凄く楽しみにしていたのだろう。
事件に巻き込まれてしまった為、しょうがないと言えばしょうがないが…
子供達の後ろからケーキの様子を覗き込んだ、椛がそんな博士に声をかける。
椛「博士?
流石に全く元通りには戻りませんが、
良ければ私、手入れて直しましょうか?」
博士「なんと!!
そんな事が出来るのか!!」
椛「最初と全く同じデザインには戻らないと思いますが、普通に綺麗に見えるぐらいには戻せると思いますよ♪」
博士「椛くぅ~ん…」
藁にも縋る様な目で、椛の事を見つめる博士。
そんな博士の姿がよっぽど面白かったのか、耐え切れずに笑い出す。
椛「あははははっ!
…ちょっと時間がかかると思うので、皆と先にドーナツを食べて待っていて下さい。」
そう言って、崩れたケーキを持ってキッチンに入っていく椛。
お言葉に甘えて、お腹が空いている子供達と共に、皆で先にドーナツを食べ始めるが…