第32章 装飾品の秘事
博士の家では、電話をかけ終わった椛が少し考え込む様に、スマホを見つめている。
博士「椛君?」
一連の流れをドーナツを揚げながら眺めていた博士が、椛に声をかけた。
椛「あっ、すみません、なんか気になってしまって…
新一君、博士に何か頼み事頼めなかったら、次頼りにする身近な大人、
昴さんかなと思ったのですが…
けど特に何も分からなかったです。
ドーナツ続き作りますね。」
スマホをエプロンのポケットに再び戻すと、キッチンの中に戻ってくる椛
先程放置した、トッピングの準備の続きに取り掛かる。
博士「椛君は、2人の事、随分と頼りにしてるというか…
信頼しているんじゃな。」
先程、2人にサッと電話をかけていた椛の様子に、関係性と距離感の近さを感じたのか…
そんな事をポツリと呟く様に言う博士。
作業している手元を見ていたが、その言葉に視線を上げると、博士がドーナツを揚げ続けながらも、こちらを見つめていた。
椛(頼りか…
あまり深く考えた事なかったけど…)
椛「そうですね…
2人とも頼りになるし、信頼してますよ。
賢くて能力が高くて…
それに2人とも何というか…
系統は違うけど、それぞれ戦国武将みたいじゃないですか?
1人いるだけで、100人力タイプの男性ですよね。
色々な意味で。」