第32章 装飾品の秘事
確認したかった事が終わったのか、手短に話を終わらせると、そのまま電話はそそくさと切れてしまう。
そして、そんな電話の受話器を、少し考え込むように見つめる安室。
店内で、その様子を接客をしながら片耳で聞いていた梓は、安室の様子に、少し首をかしげながら声をかける。
梓「安室さん?
椛さんからですか?
コナン君ってフレーズも聞こえましたけど?」
安室「あぁ…
梓さん、今日コナン君見かけましたか?」
梓「いえ、見てないですけど…」
安室「そうですか、なら大丈夫です。」
梓「?
何かあったのですか?」
安室「いえ、何でもないです。」
梓「?
そうですか?
なら良いのですが。」
梓は一瞬で終わってしまった電話に、少し疑問を持った様だが…
安室の返答に、特に気にする様な事でもないと思ったのだろう。
それ以上、梓は深く突っ込んでくる事はなかった。
安室(なんだろ…
少し気になるが…
何かあったら、椛はちゃんと話してくるだろうし…
先程の話だけじゃ何も分からないが…
まぁ、今日は周囲の様子をいつもより注意深く見ておくか。)
カウンターからガラス越しに、外の様子を眺めながら作業に戻る安室だった。