第32章 装飾品の秘事
椛「どうしたんですか、博士?」
電話には出たが、どうやら切れてしまったのか、話しの途中でスマホから耳を離した博士を不思議に思い、話しかける。
博士「いや、新一から電話だったんじゃが…
どうやら切れてしまったようじゃ。」
椛「そうですか…
流石に一度、掛け直して見ては?
電波が悪かっただけかもしれませんよ?」
博士「まぁ、それもそうじゃな。」
そう言って電話をかけると、スマホを耳に当てるが…
博士「うむ…
電波が届かないコールじゃな…
何、大事な話ならまたかけてくるじゃろ。」
博士の言っている事は最もだが…
何か妙に胸騒ぎがする椛。
椛「新一君、なんて言っていたんですか?」
博士「う〜ん、何かメモ取って欲しいとか、どうたら言っていたが…
内容を聞く前に切れてしまったからなぁ〜。」
椛(メモ?)
博士の言葉に、手元はそのまま動かしつつ…
揚げているドーナツに目を向けながら、少し考え込む。
椛(メモを取って欲しいって、わざわざ新一君、博士に電話してくるって…
何か調べて欲しかったんじゃないのかな…
博士に頼むって事は、自分ではそれが叶わない状況だったって事だろうし…)