第32章 装飾品の秘事
そのまま2人でドーナツ作りに取り掛かる。
今日はカロリーを出来る限り抑える為、きな粉と豆乳と米粉でドーナツを作る。
本当は油で揚げない方がカロリーは抑えられるのだが…
博士はそこはどうしても譲れなかったらしく、2人で生地種を作ると、ドーナツを揚げていく博士と、トッピングの準備をする椛。
「トゥルルルル…
トゥルルルル…♪」
椛「ん?
博士?
スマホ鳴ってますよ?」
そう言って博士のスマホの側にいた椛は、スマホを手に取ると、ドーナツを揚げている博士に手渡す。
博士「あぁ、すまんの…」
コールが鳴るスマホを受けると、菜箸片手に電話に出る。
博士「は、はい、阿笠ですが…
あっ、スマン!
今、手が離せなくて、
少し待っててくれ!!
あちっ!!」
椛「博士、そちら場所変わります。」
博士が持っている菜箸を横からそっと奪い、揚げ物作業を変わろうとする椛。
博士「あぁ、すまんの。」
油が少し跳ねた手を布巾で拭うと、キッチンを出ながら再度スマホに耳を付ける。
博士「待たせたのォ…
ケーキだけじゃ食い足りんと思って、ドーナツを揚げておったんじゃ!
まぁ、もうすぐ届く有名店の限定ケーキ….」
博士(んっ?
切れておる…
まぁ、大事な話ならもう一度かけてくるじゃろ…)