第32章 装飾品の秘事
いつもより、幾分足取り軽くキッチンに入っていく博士の後ろ姿を眺める。
椛(所で…
じゃあ、哀ちゃんがくる前は、どれだけドーナツ食べてたんだろう…
欲望のままに、沢山食べてたのかな…
いくらカロリー1個あたり低めに作ったって、沢山食べたら、意味ないと思うけどな。
今日は一体、いくつ食べるつもりなんだろう…)
そんな事を思いながら、博士のお腹周りを盗み見る彼女。
確かに、灰原がキツく食事制限したがる気持ちが、分からなくもない。
椛「私の作るもので喜んで頂けるなら、私も嬉しいですよ。
あと…
これからくれぐれも…
私のアイテム作りの件は…」
博士「あぁ、もちろん誰にも言わんよ。
新一にも哀君にも黙っておくよ。
それになにかまた、椛君が必要なものがあれば何でも言ってくれ!!
そのかわり…」
椛「えぇ、博士の為の特別メニューのスイーツ、お礼に毎回用意しますね♪
哀ちゃんのgoが出るように、カロリーかなり控えめで。」
博士「やったぁ〜!!」
椛は先程の…
博士の『うっかり』に釘を刺すような事を言いつつ…
すっかり椛に、胃袋を掴まれてしまった様子の博士。
利害はバッチリ一致し、どうやら2人の交渉は無事、結託したようだ。