第6章 ミッドタウン杯戸
最後のコードを切るとカウントを刻む液晶画面が静かに消えた。
最後に2人が見た数字は『3:20』
解除完了だ。
これ以上の爆発は無事、未然に防げた言っていいだろう。
安室「ふぅ。」
椛「はぁ。」
一気に緊張が解け、思わずお互い空気を長く吐いた。
安室は爆弾の様子をすぐさまスマホで撮影すると、メールを打ってどこかへ送っている様だった。
そして2人、避難経路から建物外へと脱出する。
外に出ると避難した沢山の人、警察官や消防隊が忙しなく動いていた。
ふと周囲を見渡すと、蘭と園子、小五郎とコナンの4人が共にいるのが目に入る。
椛「蘭ちゃんと園子ちゃんも無事避難出来たみたい。」
そう言って隣に立つ彼にそちらの方に目線を移動させる様即す。
安室「その様ですね。」
その様子を確認した安室は安心した様に微笑んでいた。
安室「所で椛さん?」
椛「はい?」
安室「先程の話の続きですが…」
そう言って彼女を見下ろす安室は、表情が固く真意が読めない顔をしている。
昼間の談笑していた彼とはまるで別人の様だ。
安室「貴方は一体何者ですか…?」
穏やかになっていた2人を取り巻く空気が、一気に張り詰める。
椛「…安室さんは逆に何者だと思ってるんですか?」
彼の問いには答えずに、質問を投げかける。
その問いに安室は答えない。
安室「…質問を変えましょう。
貴方は白ですか?
それとも…黒ですか?」
2人に間に風が舞う。
風でなびく彼の髪が美しくて、こんな時でも見惚れてしまいそうになる。