第32章 装飾品の秘事
箱を開けると、中には可愛らしくもオシャレなピアスが入っていた。
椛「おぉ!これはこれは!
またまた♪
可愛らしいですね!
ナイスセンスすぎでしょ博士!」
アクアマリンやブルートパーズのような輝きの石がついており、彼女にとてもよく似合いそうなデザインだ。
博士「ほっほっほっ!
わしゃ~♪
天才だからな!」
彼女の言葉に気をよくしたのか、嬉しそうに笑い声を上げている。
椛「それでそれで?
これはどうやって使えばいいのですか?」
彼女も彼女でワクワクした目で、博士を見つめている。
博士「椛君はただ、このピアスを身に着けていれば良い。
もし椛君に、発信機や盗聴器の類がつけられたら、その電波に反応して、椛君に発信音で知らせる。」
椛「発信音ですか?」
博士「そうじゃ。
発信音といっても、直接音を出すわけではなくて、骨伝導にしたから、周囲には何も気づかれないし、周りの人間は何も聞こえない。
ピアスをつけている椛君にだけ、分かるようにしたんじゃよ。」
椛「…天才過ぎません?
博士…」
博士「はっはっはっ!
ただ難点もある。」
椛「何ですか?」
博士「普通の距離なら問題ないが、もし何か発信器をつけられた人間と、椛君との距離が近すぎると、椛君に発信器の類が仕掛けられてなくても、その人間の発信器の電波に反応してしまう。」