第31章 エルダーフラワーかローズか否か
椛(おぉ…
前回に引き続き、流石に今の言葉は、ちょっと…
中々くるものがあるな…)
身命を賭して任務にあたっている彼。
仲間との約束を果たす為なら、どんな無茶でも平気でする様な人だ。
あんなに正義感が強い彼が、必要悪を演じ続けなければいけない立場にあるなんて…
理解はしているが、こうして第三者からあからさまに悪人扱いをされると、流石に少し胸が痛む。
椛「もう、その辺りは正直言って覚悟の上だよ。
彼の側にいる事で、例え私の身に何かあったとしても、全て受け入れる覚悟だよ。
大丈夫。
それに、コナン君達に何か危害が加わる様な事はしないよ。」
コナンからは、普段はふわふわと笑い、物事を比較的受け流している様に見えて居た椛。
しかし、しっかりと前を見据えて、いつもよりも若干低いトーンで言葉を放つその姿に、
『この人、急にたまに物凄く目が座る瞬間があるんだよな…』
と心の中で思う。
そしてそんな時は何を言っても絶対、意志を変える事はない事も、今までの付き合いから何となく理解して居た。
コナン「はぁ…
本当にもう…」ジト目
若干呆れた様子で何かを諦めた様にため息をつくコナンの仕草に、椛は最後の一手をかける。