第31章 エルダーフラワーかローズか否か
コナン(ったく灰原のやつ…
最近小言が多くねえか?
それにしても、全く…)
放課後、博士の家に寄った帰り道。
少し悪態をつきながら、探偵事務所に続く通りを、一人ランドセルを背負って歩く。
前方に探偵事務所が入ったビルが見えてきた所で、1階のポアロの扉の前に、人影があることに気づく。
最初は客かと思ったが目を凝らして見てみると…
コナン(あれは…
バーボン!
週明けにはポアロに戻ってくるとは言っていたが…
本当に戻ってきたのか…)
先日のミステリートレインでの一件と、伊豆高原での一件が脳裏に浮かぶ。
コナン(一体何のつもりなんだ…
何事もなかったように、ポアロにこれからもいるつもりなのか?
奴の目的は何だ!?)
足を進めながら、前方から目をそらさずにいると、安室に姿と重なっていて、気付かなかったが、ポアロの店内に戻っていく安室の姿と共に…
彼に向かって手を振る女性の姿が、安室の陰から現れる。
コナン(あれは…
椛さんか!)
安室を見送り終わり、こちらに向かってくるコナンに気づきお互い目が合うと、残りの距離を駆け寄ってくるコナン。
コナン「椛さん!」
椛「コナン君、おかえりなさい。
蘭ちゃんなら、今、園子ちゃんとポアロでお茶してるよ?」
椛の言葉にガラス越しにポアロの店内に目を向けると、カウンター席に座り、2人で仲良く談笑している姿が目に映った。