第31章 エルダーフラワーかローズか否か
椛「ポアロと安室さんのこと、これからも好きでいて下さいね?」
軽く笑みを浮かべて、首を傾ける。
嫌味の一つや二つ、言われるのかと思って意識を張っていたが、思わぬ椛からの言葉に毒気が抜けたのか…
2人の肩に入る力が抜けた事が、はたから見て取れた。
女子高生1「そんなの、あなたに言われるまでもない…」
椛「そうですか。
なら良かった。」
そのまま吐き捨てるように出ていく一人と、
最後…こちらを振り向き、軽く頭を下げてから、もう一人は店を出て行った。
そんな様子をカウンターで見ていた園子と蘭。
『訳が分からない』という顔をしている。
蘭「やっぱり何かあったのですか?」
園子「あの子たち、安室さんのファンの過激派の子たちですよね?
何か言われたんですか?」
二人の質問に答える気がないのか、笑みを浮かべながら紅茶に口を付けている椛。
椛からは話が聞けないと思い、お客様が帰ったテーブルの上を片付けている梓に、視線を向ける園子と蘭。
二人からの視線の意図を感じ取ると、梓は隠す気がないのか…
梓「実はね~…」
そのまま先ほどまで店内で起こっていた事を一部始終、梓は園子と蘭に話した。