第6章 ミッドタウン杯戸
安室(庭園探索から、展示室に予定を変更してた事が功を奏したな…)
目的のフロアはここから3階上。
安室「思いの外、近くて助かったよ…」
自称気味に口角をあげ、目的の場所へと急ぐ。
15階の展示会場にいた来場者はすでに会場からの避難は終わったのか、喧騒は遠くからしか聞こえない。
誰1人としていない展示室の入り口を抜け、目的の像まで急ぐ。
安室「…この像か。」
レプリカだか、思いの外、像は大きい。
高い吹き抜けの仕様の展示室に、鎮座するその像は高さ4メートル以上ありそうだ。
慎重に像の周辺を探索する。
すると像の足元土台部分に不自然な切り込みを見つけた。
トラップが無いか調べ、慎重に切り込み部分に手をかける。
横120cm、縦50cm程の外板を外すと中には…
安室「はっ…!?
これはまた…
随分と大きな物を置いていったな…」
像の土台部分いっぱいに爆発燃料が仕掛けられ、中には沢山のコードと、液晶。
カウントダウンのタイマーが既にスタートしていた。
あと、25分ほどでタイマーが切れる様だ。
安室「これは…
かなりまずいな…」
爆弾の詳細を確認するが、かなり大きい上にダブルトリックで仕掛けられている。
爆弾のタイマーを止めるために解体するにしても、コードを2箇所同時に解除していく必要がある。
1人で解体する事は不可能な複雑な作りだ。
これを置いていった彼らは確実にここを爆破したいらしい…。
安室(やられたな…
このまま爆発物処理班を待つか…
いや、間に合わない…)
かなり大規模なビルだ。
上層階にいた人達の避難は未だまだ終わってない。
未だ大勢の人たちが非常階段を駆け降りていく足音が遠く、喧騒と共に聞こえている。
この爆弾が起動してしまったら被害が膨大に出ることは目に見えている。