第31章 エルダーフラワーかローズか否か
怪我で一度予約をキャンセルした為、2週間ぶりに訪れたシュミレーションクレー射撃場。
いつものように1時間程、しっかり撃ち込む。
少し日数が空いた為、いつも以上に集中していたのか、全ての弾を打ち終わり、緊張を解くと、どっと疲れがやってきた。
シュミレーション用のイヤーマフを外すと、少し離れたところで様子を見ていたのか、スタッフの篤に声をかけられる。
篤「お疲れ様です、椛さん!」
椛「お疲れ様です、篤さん。」
額に薄らとかいた汗をハンカチで抑えながら、挨拶に答える。
篤「今日は、いつも以上に集中していたように見えましたが…
何かあったのですか?」
椛「いえ、前回から少し時間が空いてしまったので。
いつもより、力が入ってしまっていたのかもしれません。」
汗を抑え終わると、スコア画面に目を映す。
彼女に合わせて、篤もスコア画面に視線を移した。
篤「今までで最高得点じゃないですか!
本当にもう…
ここのお客様の中では向かうところもう、敵なしですねw
あははっ!」
篤の嬉しそうな表情を見て、腕が落ちていなかったと分かり、椛は少しホッとする。
椛「けど、間隔が空くとやはりダメですね…
銃が重く感じます。」
篤「あはははっ!!
もうプロみたいな発言ですねw」
椛「いやいや!そんなつもりじゃ!」