第31章 エルダーフラワーかローズか否か
そうやって嬉しそうに話をする彼は、まるで少年の様に爽やかで、それでいて…
とにかく笑顔が眩しい。
椛(あまり考えた事無かったけど…
男の人が、朝、女の人にネクタイ選んでもらってる時って、
こういう気分なのかしら…)
どちらかと言えば好きな服の好みは決まっているし、そしてあまり人と被らないようなデザインが好きな椛。
彼に出会うまで、人に服を選んでもらう経験なんて、今までした事無かったものだから…
まぁ、自身のクローゼットの服ではあるが…
今まで当たり前のように1人でこなしてきた事を、自分以外の人に任せると、嬉しいやら、むず痒い様な…
今まで感じた事が無い不思議な感覚がした。
その後、彼に選んでもらった服に着替えて、彼に入れてもらったハーブティーに口をつける。
服選びしかり、お茶の用意もしかり…
彼が1人加わると、何だか朝のひと時が、今までよりも華やいでいる様な感じがした。
自然と椛の口角が上がる。
椛「零は今日はポアロなの?
私、クレーとオケの間、少し時間があるから、事務作業、零がいてもいなくても、どっちみち、ポアロでお茶しながらパソコン作業しようかなと思っていたのだけど。」